contents
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12万人が訪れる企業ミュージアムの全面改修
日本航空が社会貢献活動の一環として実施している体験型学習施設「JALスカイミュージアム」のリニューアルを総合的に支援しました。JALスカイミュージアムは、トリップアドバイザーが選ぶ観光スポットでは1位を獲得し、年間12万人以上が訪れる人気の施設です。しかし前回の改修から8年が経過し、設備の経年劣化や最新情報が展示に反映されていないなどの課題を抱えていました。また、増加する海外からのお客さまへの多言語対応や、重点ターゲットに定める若年層へのブランド発信をはじめ、施設の価値を高い品質で維持するための全面改修が求められていました。
execution
リアル空間におけるお客さまとの重要な接点
プロジェクトはフェーズを2段階に分けて進めました。第1フェーズでは新ミュージアムのコンセプトと基本構想を策定。新たなミュージアム像として定めたのは「空とつながるミュージアム」。JALスカイミュージアムは、小学生からシニアまであらゆる世代が訪れる重要なタッチポイントです。訪れたすべてのお客さまにJALを利用したいと思っていただけるように、JALグループの安全・安心への取り組みと、ブランド品質「伝統・革新・日本のこころ」にふれる体験を提供し、”日本の空”とつながるミュージアムを目指しました。
続く第2フェーズでは、詳細設計・コンテンツ制作・システム開発・製作施工・運用スキームの構築を実施。新ミュージアムには7つのエリアを設け、館内を回遊することで学びと発見が結びつき、JALへの理解と共感が深まるように体験設計をデザインしました。
contents
新しい空の世界に出会うミュージアム体験
VI・サイン
安全運航を支える整備の象徴、格納庫をトレードマークにしたVIをデザイン。格納庫と隣接しているのロケーションも端的に表現しています。また、ファクトリーを彷彿とさせるステンシル調のオリジナルフォントを開発し、館内サインや展示コンテンツに使用しています。
主なエリア
SKY RUNWAY
真っ直ぐとのびる滑走路が印象的なSKY RUNWAY。訪れたお客さまが最初に目にするエリアです。スタッフの等身大ディスプレイ、コックピット、壁面ビジョンに映る大空が、飛行機と空のミュージアムに訪れたことをマインドセットします。床には施設と隣接する羽田空港の滑走路と同じ方角表示が記されています。
お仕事紹介エリア
安全で快適な空の旅を支えるプロフェッショナルを紹介するエリアです。仕事の流れや職種を越えた連携、責任とやりがいなど様々な視点から空の仕事の魅力を学ぶことができます。空港を描いた「BATON PASS MAP」展示では、スタッフがどこでどんな業務に携わっているかを見渡すことができます。
コックピット・キャビン・制服体験
コックピットには、訓練で使用していたフライトシミュレーターを移設。キャビンには実際のシートを設置。操縦席と客席に座って空の旅の臨場感を味わうことができます。制服体験では模擬制服を着用してモックアップを背景に記念撮影することができます。
アーカイブズゾーン
日本の空の歴史を紐解くエリアです。「航空史から、航空文化史へ」という編集方針に基づき、広く多くの方にJALの歴史に興味を持ってもらえる展示を目指しました。壁面に並ぶデジタル年表では年代ごとに情報を深掘りすることができます。デジタル年表のUIデザインや展示ケースの構造をはじめ、すべてのお客さまが快適に見学できるようユニバーサルデザインに配慮しています。
フューチャーゾーン
未来へ向けたJALの取り組みを紹介するエリアです。新規事業への挑戦や循環社会に向けた取り組みなど、一般の方が目にする機会が少ないJALの事業をを知っていただく貴重なスペースです。マルチプロジェクションによる没入空間の中で、未来のJALを体感できます。
result
「一歩先を行く価値」を体現
本プロジェクトにはグループ全体で141社、従業員34,000名以上からなる日本航空の様々な部門が複合的に関わっており、ステークホルダーの意見を集約することは容易ではありませんでしたが、空間デザインやコンテンツをリニューアルするだけでなく、見学方式の刷新や、システムのデジタル化、施設の多目的利用、セキュリティの向上などにも取り組み、これからの時代に即した場にアップデートすることができました。
credit
client: 日本航空株式会社
category: ブランディング, SDG’s, 次世代教育, CSR, PR
work scope: 事業戦略設計, クリエイティブディレクション,プランニング, プロジェクトマネージメント,ネーミング, コピーライティング