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background
次世代とのタッチポイント
JAL STEAM SCHOOLは、日本航空が開講した教育プログラム。同社がCSRとして取り組む次世代育成「空育®」の新たなプログラムで、理数系の力と創造力を育む教育概念「STEAM」を軸にしています。 空育®では、飛行機、交流、環境と宇宙をテーマにした授業を通じて、子供達が自分自身や、日本、世界、地球の未来を考える機会を提供しています。 折り紙ヒコーキ教室やお仕事講座、工場見学、安全教室をはじめ、航空会社であるJALらしいプログラムを実施してきました。この取り組みを発展させるため、新たな起点となるプログラムの開発が求められていました。
idea
飛行機と空の世界を紐解く新たな視点
プランニングにあたり、国内外の社会的な取り組み事例のリサーチと、世界のエアラインにおけるJALのポジショニングを定義しました。そしてJALのCSV戦略における空育®の位置づけや提供すべき価値を検証していく中で、次世代教育として社会的に注目を集める「STEAM」との親和性に着目しました。 STEAMとは、科学・技術・工学・数学の理数系の学力と、芸術・デザインの創造性を育む先進的な教育概念です。飛行機と空の世界には、航空力学や機体の構造、飛行性能の計算、機体の意匠をはじめ、STEAMと親和性の高いテーマが広がっていることに加え、次世代の育成を目指す空育®が、これからを生きる子供達に不可欠な能力を育む機会を提供することは非常に意義深いと考えました。こうして新たなプログラムのコンセプトは、飛行機と空の世界をSTEAMの視点で紐解く体験型プログラムに決まりました。
execution
JALらしい、航空会社ならではの体験デザイン
授業のテーマは、飛行機の象徴「翼」です。参加者はまず航空力学の基礎を学ぶ「講義」を受け、その後アプリケーションを使った「実験」に入ります。8000通り以上の翼をデザインできる飛行機の模型を使って翼を組み立て、格納庫型のスキャナーに模型をセットすると、アプリケーションが翼の形状を解析。飛行の可否や速度などの性能を導き出し、どう飛ぶかを映像で見せてくれます。子供達は試行錯誤しながら翼をデザインし、翼と飛行機の関係性を発見していきました。 授業で使う教材とアプリケーションはJALのパイロットと技術者監修のもと、航空力学に基づいて独自に開発。また、STEAMの重要な要素である「アート=創造性」を育むために、航空会社であるJALらしい世界観にこだわり、子供達がふれる全てのデザインの質を高めました。
result
すべての子供達に開かれた学びの場へ
世界の航空会社の中でSTEAMを取り入れた教育プログラムを行うのはJALが初めてでした。多くのメディアに取り上げられ、 全国の施設や学校から実施依頼を受けるなど大きな話題となりました。参加対象の小学生にとって航空力学は非常に難解なテーマですが、体験を通して分かりやすく学べるように工夫したことで飛行機と空の世界への関心を高めるに成功しました。保護者からは「航空会社にしかできないSTEAM教育」「新たな授業も開発して欲しい」と高く評価され、空育®の認知拡大とファン獲得に繋がりました。 今後は新たなテーマでの授業の開発や、幅広い年代の子供達が参加できるプログラムとして発展させることが計画されています。
credit
client: 日本航空株式会社
category: ブランディング, SDG’s, 次世代教育, STEAM, CSR
work scope: 事業戦略, クリエイティブディレクション,プランニング, プロジェクトマネージメント,ネーミング, コピーライティング